展覧会

荒木経惟 センチメンタルな旅

いわずとしれた荒木経惟の名写真集「センチメンタルな旅」を下敷きにした展覧会。これがもう、なんというのだろう。めっちゃ良かった。露骨に泣かせにきてる構成で、でもまんまと泣かされて、文字通り、センチメンタル。写真集で知ってるはずの写真なんだけ…

ソール・ライター展

文化村のソール・ライター展を終了間際に。とてもよかったので、備忘録として。ニューヨーク。1950〜60年代。とてつもなくスタイリッシュなんだけどどこかセンチメンタルな後味。なにかに似てるなーと思いながら図録を眺めてたら柴田元幸さんの論考が載って…

クロニクル1995− @東京都現代美術館

先にあげた[宇宙×芸術]展とあわせてMOTが開館20周年を記念して展開しているシリーズもののコレクション展を拝見。良い評判は聞いていたのですが、これが予想以上に良かった!!1995年。MOTが開館した年ということですが、この年は個人的にも大きな節目とな…

ミッション[宇宙×芸術] コスモロジーを超えて @東京都現代美術館

江戸川区船堀から八王子への移動の合間に少し時間ができたので菊川から歩いて久しぶりの東京都現代美術館へ。[宇宙×芸術]というテーマは前に某知り合いから相談を受けてやってみたいかもと思っていただのですが、調べてみたらぼんやり僕がイメージしたのと…

ゴー・ビトゥイーンズ展 森美術館

これは大変に面白かったです!! 編集型キュレーターとしての南條さんの力量。いまさらあれですが、やっぱり地力あるな〜。悔しいな〜(苦笑)印象に残った作品についてひとつひとつ書きたいところですが、そこまでの時間はとれないので省略します。ただ、こ…

バルテュス展 東京都立美術館

ちょっとがっかり。いやかなり。。ポスターになっている少女の絵はとてもいいんだけど、それ以外には観るべきものが少なかったと思う。特にいくつかの代表作について、習作はあるのに、本物がないのは、、、いろいろ事情はあるのでしょうが、やっぱりがっか…

イメージの力 国立新美術館

僕が日本で一番好きな博物館「みんぱく」と国立新美術館による共同研究の成果をまとめた展覧会。嫌いなはずがない展覧会だったけど、なかなかお邪魔する時間がなく、終了間際にようやくの訪問。期待どおりの充実した展覧会でした。民博の所蔵品を「イメージ…

HAGISO 銭湯展

怒濤の秋のイベントシリーズもようやく一段落。9月以降は何も「観たり聞いたり読んだり」していなかったのですが、久しぶりにふらふらとお出かけしてきました。まずは東京で一番小さい複合文化施設「HAGISO」を初訪問。キャッチフレーズが私の勤め先へのア…

あいちトリエンナーレ

盟友(と私は思っております)郄橋匡太さんが手掛ける1000人の提灯行列がいよいよ本番だというので、名古屋まで行ってきました。日帰りで。一人で。あまり時間もなかったので、全てを見たわけではありませんが、芸術文化センターの展示と長者町の展示で大き…

アンドレアス・グルスキー展

この夏の国立新美術館はアメリカン・ポップアートとアンドレアス・グルスキー。話題の大物、、、とはいえまだまだアートファン以外への浸透度は??なグルスキーを夏休みにぶつける。大型の美術館としてはそれなりに勇気のいる企画なのだと思います。一定以…

LOVE展

森美術館の10周年記念展。行った人たちからはとても良かったと絶賛する声が多く、玄人筋からはお金いっぱいあってずるいという嫉妬にも似た声が聞こえていましたが(笑)、なるほどたしかに凄かった。 副題に「シャガールから草間彌生、初音ミク」までとある…

恵比寿映像祭

久しぶり(たぶん初回以来)の恵比寿映像祭。最近、昭和初期の歴史に関する本をまた読みあさっていたこともあり、冒頭の「写真週報」はとても興味深かった。1945年に向けて段々と表現がストイックに、悪い意味での真剣さに満ちていく感じも怖いけど、そ…

アーティスト・ファイル2013

こちらも新美術館で。あ、そういえばこの日はワタリウムから新美術館まで、青山墓地を抜けるコースをお散歩したんだけど、あのあたりのお散歩は楽しいねえ。墓地が台地にあることが歩いてみると良く分かる。アーティスト・ファイルについては一応毎年観てい…

DOMANI・明日展

文化庁芸術家在外研修の成果。こちらも最終日の駆け込み。見慣れた作品が多いのは良いことでもあるのかな。在外研修制度の評価という意味で。ちゃんと活躍している人がコンスタントに出てるってことだもんね。作品の力としてはやっぱり塩田さんが図抜けてる…

坂口恭平 新政府展

忘れないうちに最近見たものをぱぱっとメモ。ワタリウム美術館での坂口恭平展は最終日の駆け込み観覧。でも観に行って良かった。なにはともあれ、彼のような奇人がまだ現代にいることに希望のようなものを感じる。押し並べて無難な人、無難な表現が多いこの…

六本木アートナイト

わーい。おまつり。おまつり。作品の質とか量とかで真面目に語りだせばダメだししたくなるけど(新作が全然ないしね〜)、僕はもう、これだけ「おまつり」として成立してるだけで感激しましたよ。とにかくたくさん人は来てるしね。アートでも「おまつり」は…

イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに

最近観たものを簡単にメモ。森美術館の「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」。韓国の女性アーティスト、イ・ブルの大規模個展。毎度のことながら森美術館は安心のクオリティ。今回の展覧会も楽しかった。ここの企画っていつも、現代アートファンだ…

TDW/DESIGN TIDE TOKYO/CREATIVE TOKYO FORUM

ごく簡単にふりかえり。TDW(TOKYO DESIGN WEEK) もう何回目だっけ。これだけ継続しているってのがもうすでに偉いよね。そこは掛け値無く頑張ってると思います。ただ、回を重ねるごとに学園祭に近づいてるように感じるのもまた事実で。。裾野を広げることも…

畠山直哉展 ナチュラル・ストーリーズ

楽しみにしていた畠山さんの個展。きっと泣いちゃうなと思ってたけど、やっぱり泣いちゃったな。畠山さんは陸前高田の出身。いつも一緒に飲んでる人たちには紹介済みだったりすると思うけど、この展覧会に行く人はこの文章を読んでからいくことを強くお薦め…

路上

前にも書いたことがありますが東京の国立近代美術館では、大型で集客力も高い展覧会とあわせ、美術館の学芸員スタッフが収蔵品を使いながらさっとつくった小型の企画展が同時開催されることが多いです。で、これが毎回面白かったりするわけですが、今回、ク…

パウル・クレー展ーおわらないアトリエ

最近、展覧会を見に行くのが会期末ぎりぎりだったりすることが多くて、ブログを書くころにはもう会期が終わってるというね(苦笑)。で、先週末でこの展覧会も終わってしまったのですが、一応観ましたよの記録だけ残しておきます。行ったのが最終日前日の土…

名和晃平ーシンセンス

ずいぶん時間が過ぎちゃったけど7月24日に観ました。最高!!名和さんの作品を最初に知ったのは愛知万博のアートプロジェクトのときで、そのときはまだ僕は今の会社にはいなくて、コンテンポラリーアートこともあまり知らなかった(いまとてもよく知ってる…

驚くべき学びの世界ーレッジョ・エミリアの幼児教育ー

ワタリウム美術館で開催されていた企画展。先進的な幼児教育に第二次世界大戦後すぐから取り組んでいるイタリア、レッジョ・エミリアを紹介するものだ。 とにかく前評判が良くて、僕がいったのは先週の土曜日の夕方近くだったけど、かなりの混雑ぶりだった。…

ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー

東京オペラシティ・ギャラリー。会期末ぎりぎりでみる。個人的には大変楽しめました。いま、個人的な関心事が、この時代にアートがなすべきこと、アートにできることは何だろうということに向かっているから、そして、その「できること」のひとつが、アート…

水・火・大地 創造の源を求めて

熊本に帰省したときにみた。帰省そのものの顛末はmixiに書いてます。 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1736466020&owner_id=1518308で、その時に観た熊本市現代美術館の企画展。JR九州の開通記念展示だそうだ。http://www.camk.or.jp/event/exhibition/wa…

アーティスト・ファイル

国立新美術館のアニュアル企画。毎年楽しみに通っております。が。。きれいにまとまってはいるけど「あれに似てる」的な既視感のある作品(作家)が多かった気もする。これは観る側の慣れてしまったという問題なのか、それとも選ぶ側が新しい才能を発掘しき…

風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから

国立国際美術館の企画展。これは面白かった! 僕はいわゆるコンセプチュアル・アートってものがあまり得意ではなくて、それこそ森美術館のデュシャンとか観てもさっぱりだったのですが、なぜかこの展覧会は楽しかった。 それはなんでかってのをうまく説明で…

空虚の形態学

収蔵作品を使いながらさっとつくった展覧会、なんだろうけど、キュレーター(この展覧会では鈴木勝男さん)の学術的な関心事がきちっと表出されていて、好感を持ちました。 この企画単体で魅力がある(集客力とか事業性という意味でね)かどうかは疑問だけど…

生誕100年 岡本太郎展

みたよーという記録だけ残しておこうかしら. オーソドックスな時系列展示だし、壁紙を赤くしての彫刻作品の展示はまんま川崎の記念館と同じということで、川崎観てるひとは無理していかなくてもという気がしましたが、それでもやっぱり太郎さんの作品を観て…

MOTアニュアル2011 Nearest Faraway 世界の深さのはかり方

毎年楽しみにしている都現美の企画。今年も面白かったです。 昨年もそうだったけど、この企画では圧倒的な手間暇をかけた手技系のアーティストが取り上げられることが多い。今年も偏執狂ですかってぐらい一つの作品に対する仕事量が多い作家が紹介されていて…