演劇・ダンス

真夏のたちかわ怪奇クラブ

行ってみたかった「たちかわ創造舎」。見たい見たいと思いながらなかなかタイミングがあわなかった「すこやかクラブ」。ようやく見れました。廃校になった小学校をリノベーションした空間。いまや珍しい話でもなくなったけど、立川のこの空間はとてもよくで…

ロデオ★座★ヘブン「大帝の葬送」

十七戦地の柳井祥緒が脚本・演出した舞台を王子小劇場にて。大帝、昭和天皇の崩御を目前に、新元号の制定と発表、葬送のあり方などを決定するため、官邸、宮内省、警察、法制局などの実務者で構成された会議(幹部会)を描く論争劇。大変難しい題材ながら柳…

リック・ザ・キューブ 時の冒険

アンスティチュ・フランセ主催のシネマライブ。アニメーション映像と生演奏を組み合わせた舞台。会場は座・高円寺。おすすめ5歳以上。ということで、阿佐ヶ谷方面(かつ演劇方面)の旧友とそのお子様たちをお誘いしての観劇。この手のものは子供向けといい…

タノヒトシーケンス 透明な動物たちと夜通し歩き回る

新宿、花園神社の裏あたり。ひっそり佇む画廊の地下、小さなスペースで展開される、小さな小さな演劇。これがとても面白かったのだ。そもそも「タノヒトシーケンス」は「ルールに則ってエチュードをするだけで自動的に物語になるようなシステム」を志向し、…

アルク/Walking DA・M

好きな舞台女優であり信頼する友人でもある宮地成子が出演しているというので久しぶりのプロトシアターへ。舞台についてそんなに知識、情報量を持ち合わせない私、正直「アルク」のことも、DA・Mのことも、演出の大橋さんのこともこの日初めて知ったのだが、…

銀河鉄道の夜/小池博史ブリッジプロジェクト

池袋あうるすぽっとにて。小池さんの舞台を知ったのはパパ・タラフラマが解散を発表したころ。「島ーisland」をみて衝撃をうけ、「ship in the view」にも感動した。コンテンポラリーダンスのようであり演劇のようでもある独特なスタイル。身体表現、身体性…

虚像の礎/トラッシュマスターズ

座・高円寺にて。長く見続けてきた劇団。とはいえ前作ははっきりと苦手だったので今回はどうかしらと、不安なような、かえって楽しみなような、不思議な気持ちで拝見したのですが、良くも悪くもトラッシュはトラッシュだなと。これまでのトラッシュの「型」…

十七戦地「眠る羊」

観劇の帰り道、Twitterに書いたものを転載しておきます。さて。なぜか十七戦地の時だけ恒例の帰り道感想ツイート。休演明けで気負いすぎたのか、役者の皆様、不調だったようで。演技については触れず、本のことだけ(そもそも演技については語る言葉を持たな…

3.14ch 司令室

少し早めに着いてしまったので王子のもつ焼き屋で一杯。ここがもういかにも下町のもつ焼き屋で、お世辞にも美味しいとは言い難いのですが、お店のママも、集まってるお客さんも、なんともいえず味がありました。いいな〜、落ち着くな〜、この雰囲気。などと…

十七戦地『花と魚』

twitterに書いたものを再掲します。花と魚、雑感。演劇って難しい。上手くなることと良くなることが必ずしも一致しないというか。初演時に比べると役者の力量は総じて向上していると思う。言葉にしなくても表情や動きだけで伝えられる役者が多いというか。で…

トラッシュマスターズ「極東の地、西の果て」

本多劇場でのトラッシュの公演。前回の本多は観れなかったのでこの劇場でのトラッシュはお初。個人的にはトラッシュはデカ箱のほうが向いてる気がしてて、とても楽しみに観にいったのですが、結論から先にいえば、これまでのトラッシュ作品の中では一番のれ…

ナジャ/狂った女たち サイマル演劇団

盟友宮地成子が客演するということで、初めてのサイマル演劇団。徹頭徹尾意味不明だったけど、なぜか退屈せずに見れた。ブルトンの「ナジャ」を底本にした劇作ということで、シュルレアリスムの演劇といってしまえばそれまでなんだろうけど、アフタートーク…

3.14ch「帰郷」

昨日観劇した3.14ch「帰郷」について簡単に。鋭角な才気とエネルギーを感じる意欲作。たとえていえば、ロフトを満杯にしてるメジャーデビュー直前のパンクバンドみたいな、そういう勢いを感じる劇団、舞台だった。荒いところはある。しかしそれをねじ伏せる…

劇団黒テント「シェフェレ」

最後のシーンの美術を含めた演出には目を見張るものがありましたが全体的には低調だったかな。日本語に訳しても魅力的になりづらい本なのでは??ようやく気分が乗ってくるたびに説明台詞が入り込んでくるのは辛かった。原語で聞けば、そこも含めて音楽的に…

十七戦地「百年の雪」

こちらは土曜日のマチネで。前作の「花と魚」が、えっとなんだっけ、新人の戯曲の賞、そうそう第17回劇作家協会新人戯曲賞(ググった)を受賞したということで、こちらもとても力のある作家さんが作、演出を手がけている劇団。で、今回も「花と魚」同様に、…

TRASHMASTERS「狂おしき怠情」

毎度拝見しているTRASHMASTERS。作、演出の中津留さんは去年に続いて今年も岸田戯曲賞にノミネートされていて、まさに今が一番伸びざかり。役者の皆さんもそれぞれに活躍の場が広がり、明らかに力をつけてきていて。そんな彼らが自信ありげに送り出してきた…

SHIP IN A VIEW

パパ・タラフマラの「SHIP IN A VIEW」。会社を出るのが遅くなってしまい、舞台にきっちり集中できるか不安だった(僕は映画も舞台もある程度の余裕を持って会場に向かいたい小心者)。ぎりぎりで駆け込んだ会場。頭が仕事モードから観劇モードに切り替わっ…

青べか物語

黒テントの73回公演「青べか物語」を観た。実に楽しい舞台だった。最近になって黒テントを観るようになった僕にとってはとても新鮮な演出。だが、次々と語り部を変えながらト書きを読んでいでいくスタイルは黒テントの伝統なのだそうだ。「物語る演劇」かあ…

パパ・タマフマラ「島」

恥ずかしながら初めてのパパタラ。これまで観てこなかったことを後悔する素晴らしい舞台だった。舞台に人生があった。どこの誰のものかは分からないけど、その舞台から立ち上がってくるものは、誰かの(あるいは他の誰でもない自分自身と重なざるをえない誰…

2011年ふりかえり 舞台系

いろいろ観たはずなんだけど、あんまり書いてないな〜。○チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」 ○リミニ・プロトコル「ブラック・タイ」 ○十七戦地「花と魚」 ○劇団黒テント「つきのしろ」 ○トラッシュ・マスターズ「背水の孤島」 ○ITI世界の秀作短…

チェルフィッチュ「三月の五日間」

「ゾウガメたちのソニックライフ」を観たときは、言葉の感覚の面白さは分からんでもないけど、演劇、舞台としてはつまんね、というのが正直な感想だったのですが、岸田戯曲賞をとって岡田さんが一気に世の中にでてくるきっかけとなったこの作品はさすがのク…

光のない

ITI世界の秀作短編研究シリーズ:ドラマリーディング ドイツ編より、エルフリーデ・イェリネク作、林立騎訳、長谷川寧(富士山アネット)演出による「光のない」を観る。リーディングと聞いて想像するものとは全く別種の舞台。普通に読めば2時間を軽く超え…

背水の孤島

トラッシュマスターズの新作公演。笹塚ファクトリー。これまでもずっと観てきた「トラッシュマスターズ」。毎度思うことだけど、中都留さんはあえて、社会問題の一番ややこしく、旬なところをドストレートに扱う。今年の公演のテーマはもちろん、震災と原発…

つきのしろ 劇団黒テント

はじまってしばらくは興味がない話すぎてどうしようと思ったけど、さすがの安定感で魅せてくれます。生バンドの演奏はやっぱり良い。すごく贅沢な観劇体験。無理にはりあげない感じに仕上げているソロパートもすごく良かったし、ラストの全員でのコーラスに…

花と魚/十七戦地

若いな〜というのが第一印象。やりたいことに技術が追いついていないところがあるという意味でもそうなんだけど、扱ってるテーマ自体はとても意欲的で、知り合いが制作をやってるからという以上の好感を持った。小劇としては決して少なくない登場人物それぞ…

リミニ・プロトコル「ブラック・タイ」

友人が制作を手伝っている「世界の小劇場シリーズ」。金曜日の夜にリミニ・プロトコルの「ブラック・タイ」を観る。素晴らしかった。演劇をみてこんなに、震えるような感動を味わったのは久しぶり。舞台は極めてシンプルかつミニマルなもの。おそらく80分な…

チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」

神奈川芸術劇場のこけら落とし公演。宮本亜門演出の「金閣寺」はジャニ効果で満席らしいですが、こちらはまあ適度な入り。でもって私は初チェルフィッチュ。 分からん。じじいには何がいいのかわからん。 いやまあ、なんかカッコよさげに色々書こうと思えば…

ダムタイプ「S/N」

ひとつ前に「六本木クロッシング」全体のことを書いてますが、この展覧会で一番うれしかったのが、ダムタイプの「S/N」を(やっとこさ)観れたこと。すいません。実はこれまで、とっくに観たような顔をしてました(恥。。)作品がつくられたのは1992年。まだ…

ピナ・バウシュ「私と踊って」

鮮烈。身体表現の可能性。舞台という表現形態の可能性。極限まで省略しながら、極限までイマジネーションを引き出す、魔法のような90分。30年以上も前につくられながら全く色あせない。想像以上にすごかった。面白かった。ほとんどがドイツ語で演じられる舞…

トラッシュマスターズ「奇行遊戯」

最初から結論めいたことを書くけど、とても良かった。これまでのトラッシュの舞台の中ではダントツに良かったし、他の劇団さんも含め僕がこれまでに観てきた(数少ない)演劇の中でもベスト級。トラッシュの舞台はこれまでにも3本?4本?それぐらい見てい…