3.14ch「帰郷」

昨日観劇した3.14ch「帰郷」について簡単に。鋭角な才気とエネルギーを感じる意欲作。たとえていえば、ロフトを満杯にしてるメジャーデビュー直前のパンクバンドみたいな、そういう勢いを感じる劇団、舞台だった。

荒いところはある。しかしそれをねじ伏せるエネルギーがある。才能あるなあ、ムランティン。

荒唐無稽にみえる舞台だが、実は物語の根幹は「行って、帰ってくる」話で、オーソドックスな三幕構成になっている。あれだけの要素を詰め込みつつ1時間45分の尺におさめているのは見事。二幕目までの疾走感、盛り上がりもハンパない!!

ただ、「帰ってきた」ところ、三幕目の仕上がりはいまひとつかと思う。「行って、帰ってきた」あとの主人公の成長が見えづらい。あの選択ができるのが成長なのかもしれんが。。あるいは中途半端に納めにいかずに投げっぱなしにする手もあったか。

なんだか急に失速してしまうんだよね。出身地が「地球」ってなんだよ、みたいな。これは役者の力量の問題かもしれないけど、個人的にはその前のぐたぐだした説明調の台詞もうざい。

ただ妹役の超早口種明かしは良かったかなあ。あと、17戦地にもでてる、えっと、鵜沼さんだっけ、あの人はほんとに良いと思う。身体的な説得力がすごくある。好きな役者さん。

なんにせよ、今みとくべき舞台であることは確かです。冒頭のたとえでいえば、このバンド、いまが一番とんがってるんじゃないの?このあとメジャーデビューして成長するのか、つまらなくなるのか、それは分からないけど、いまの、この勢いを見届けておくべき!

というわけでみんな行こう。これまで観たことない舞台を薦めてたので歯切れが悪かったが、いまは自分の言葉で、自信を持って。おすすめです!!http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_id=39075