カルテル・ランド

最近やたらと多いメキシコ麻薬カルテルもの映画。もちろん私も大好物で、なかでも「悪の法則」は思い出すほどにすごい映画だったと思うんだけど、そんなメキシコ麻薬カルテルに対抗して立ち上がった自警団市民たちを追うドキュメンタリー映画。現在のメキシコ麻薬カルテルの怖さって、それこそ宇多丸師匠が見事に喝破した「悪の法則」の主題=全体をコントールする「意志」の不在、一度作動したら止まらない、自動的に走り続ける「悪の法則」ってことだと思うんだけど、この映画が追うのは、それに対抗する市民たちの戦いもまた意志を超えて「回転」しうるということ。いかにもキャスリン・ビグローっぽいテーマで、さまざまなことを考えさせる、大切な映画だと思うんだけど、しかしやっぱりキャスリン・ビグローはあんまし好きじゃないかも。。。意地悪さが鼻につくというか。。。製作総指揮にまわってもちゃんとキャスリンの映画になるのもある意味すごいけどね。