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うん。傑作だと思う。
オープニングの会話だけでマークの人柄を(その良いところも悪い―というかズレているところも)説明しきる手際。そのあとのハーバード校内を小走りで駆け抜けていくシーン、部屋に入った瞬間に二つのPCを起動する感じ、、、から始まって、ほんとに一部のすきもなく、無駄のない映画。すべてのシーン、せりふ、映像にきっちり意味がある。デビッド・フィンチャーって、こんなに上手かったっけって感じ。話自体は地味といえば地味なんだけど、まったく退屈しなかったな。
いろいろ語りたく映画だよね。特に現役で「今」のビジネスシーンを(多少なりとも野心なり意欲なりを持って)生きている人にとっては、自分のスタンス?、そんなことを考えるんじゃないかしら。
僕自身はマークほどの天才ではない(と思う)。どちらかというとサベリンタイプ。で、まわりにはやっぱり(あれほど極端ではないけど)マークみたいなのや、パーカーみたいなのがいるわけで(そういう業界だし)。実際に世の中をガラっと変えてみせるのはあいつらなわけで。だからこそサベリンがむかつく気持ちはとてもよくわかるし、そのむかつきがコンプレックスの裏返しであることを彼自身が理解していて、だから余計にむかついてる、みたいなこともよくわかる。わかりすぎてむかつく(苦笑)。
一方のマークの孤独についてもね。。あのラストシーンは見事だったな〜。カチッていうクリック音があれほど切なく響くとはね。エンドロールの選曲も見事。ほかにもあれやらこれやら、宇多丸さんもいってたけど、とにかくびっくりするぐらい情報量がつまった映画で、そういう意味では映画自体がマークみたいって感じたな。あくまでもクールで回転早く、でもどこかさびしい。。いやー、フィンチャーすごいわ。
ただ、、、ものすごくよくできた映画ではあるけど、ものすごく「好き」な映画かといえばそうでもないのかもと思ったり、、、なぜそう思うのかというと、同じ日にみた別の映画が、あまりにも好みど真ん中、大興奮の大傑作だったのだ。それが何かというと・・・(次の記事に続く)