パシフィック・リム

もうお祭りになっているので私ごときが何か書くこともないのですが、この映画を見れたことの興奮は一言だけでも残しておきたくて。。

デルトロは「パンズ・ラビリンス」も「ヘルボーイ/ゴールデンアーミー」も大好きで、いま世界で一番信頼できるクリエイターのひとりだと思ってますが、その彼がついに夢を叶え、怪獣と超合金ロボが闘う映画を撮ったというだけでもう涙もの。

冒頭、物語のプロットをストーリーの中でさりげなく語るとか、そういう面倒なところは全部すっとばして、いいからさっさと対決シーンやろうよーという魂胆が丸見えなプロローグに爆笑した。物語世界の説明、イエーガーの説明、ぜーんぶナレーションでやっつけちゃう。この潔さ!!笑

そのプロットもだいぶ無茶だし、ストーリーもあちらこちら破綻してるし、そもそもお話を語る気があるように感じないし、まあなんというか、映画としてお粗末な部分は多々あるはずなんだけど、これを見てはっきり分かるのは、映画にはお話の善し悪しよりも大事なことがあるってこと。

言葉にしてしまえばあまりに凡庸だけど、それはやっぱり、この絵をどうしても撮りたいっていう情熱の部分だよね。どうしてもロケットパンチはなくちゃいけないとかさ。そういう情熱にやっぱり僕らはぐっとくるわけで。

無茶な話の中でもデルトロにとってやりたいこと、やりたくないことがはっきりしてるのも素晴らしいよね。アメリカ映画だからってアメリカ一国だけが地球を救う話にはしたくないって言ってたらしいけど、それは本当に真っ当な感覚だと思うし、他にも例えば怪獣の佇まいにどことなく切なさが漂うこととか、登場人物のキャラクター設定はやたらとしっかりしてるところとか、マッチョだけでなくオタクにも活躍の場が用意されているところとか、ちょっとしたエピソードにちくりと社会批判を取り混ぜたりとか、そういう日本怪獣特撮映画の一番「美味しい」ところはきっちり守ったうえで、持てるバジェットを使い切り、大好きな絵を撮りきる。でもってラストにあのクレジット。これで感動せずに何をみて感動するんだって感じですよまったくもう!!

僕らが砂場で熱中した怪獣ごっこ。あの妄想の世界がでっかいスクリーンに再現された名作です。超合金世代の大きなオトモダチはもちろん、いまの子どもたちも見てもらいたいなー。

あとは「図鑑」が欲しいよね。「図鑑」。アメリカではデザインブックもでていて、入荷待ちになるほどの大人気らしいけど、僕はやっぱり「図鑑」が欲しいのです。無駄にスペックとか詳しく書いてある電話帳みたいな分厚いやつね。小学館がつくってくれたら迷いなく買うわ!!(笑)

立川の映画館では爆音上映も企画されているらしく、そちらも興味あり。良い感じに盛り上がってますね!!
私の中で2013年の夏はあまちゃんと怪獣の夏として記憶されるんだと思います。楽しい夏だ(笑)。