ゴー・ビトゥイーンズ展 森美術館

これは大変に面白かったです!! 編集型キュレーターとしての南條さんの力量。いまさらあれですが、やっぱり地力あるな〜。悔しいな〜(苦笑)

印象に残った作品についてひとつひとつ書きたいところですが、そこまでの時間はとれないので省略します。ただ、この人は覚えておかなきゃって作家がたくさんいて。それだけでも嬉しいのに切り口の鋭さがね〜。もうさすがとしかいいようがなくて。仲間内では南條さんもきっとお孫さんがいるような歳になって、ようやく「子ども」の面白さに注目したのかしらとか下衆な勘ぐりをしているわけですが、その面白さの伝え方のポップさは他の追随を許さないところがあると思います。

適切なたとえ話になるか分かりませんが、なんとなく近いと思うのは池上彰さんかしら。極めて現代的で専門性の高い関心を、難解なまま提示するのでもなく、単純化するのでもなく、誰にとっても分かりやすく編集して提示する。そして「結論」はみる人に委ねる。ぐっと踏み込んで、考え抜いているからこそ到達できる分かりやすさ。深みのある知性とはこういうことかと。

どこまでも深く読める展覧会でありながら、単純にこの世界の美しさや残酷さに震撼することもできる、ここ数年の現代アート展のなかでも秀逸な展覧会だと思います。超おすすめ。