ターミネーター:新起動/ジェネシス

ターミネーター2をテレビだけでも10回以上は観ている世代としてはどうしても観ておかねばならない作品。ということで新宿のTOHOシネマズへ。

80年代のリブートものが本当に多い今日この頃。本作も、あの80年代の傑作に対するリスペクトが映像の隅々にまで行き渡り(といっても3と4は完全になかったことにされているわけですが苦笑)、歳を重ねたシュワルツェネッガーを文字通り「甦らせる」ためには、なるほど、この手があったかという巧みな語り直しになっていて、一本の映画としても、これまでにないリブートの手法としても、十分に及第点に達している作品だと思う。監督を筆頭に、制作チーム全体のターミネーター愛は存分に伝わって来る。

しかしもうひとつ乗り切れなかったというのも正直なところ。サラ・コナーが巨乳で可愛い系なんだけどそれでいいのか!!(とはいえ可愛かったなあ・・・エミリア・クラーク)とか、今回の新型、えっと3000型だっけ、悪くはないけど1000型がはじめて出てきたときのインパクトには届いていないよなとか、てゆうかジェイソン・クラークってなんとなくタランティーノに見えない?とか、クライマックスのしつこさが足りないようなとか、あまりにもご都合主義な脚本(カイルはどうやって元の時代に帰るのだろう??)とか、いろいろ気になるところがあって、そしてそれよりなによりシュワちゃんの800型があまりにも人間っぽすぎることに違和感があった。もちろん大傑作となった2も800型が悪役から善玉にかわっているわけで、いまさら1のような悪辣なシュワちゃんを期待しているわけでもないのだが、それにしてもなあ、情緒的すぎるように思うのだが。。。

比べちゃいけないのはわかっているが、マッドマックスが旧作のファンがよだれを垂らす独特の世界観を維持したまま、テーマとしても、表現としても極めて現代的に飛躍してみせているのに比べると、どうしても物足りないという気分が勝ってしまう。もっともマッドマックスはこの先永遠に語り継がれる大傑作なので、それと同時にでてきてしまったことが不幸ということにすぎないのかもしれないが。続編があるようですが、ちょっと次を期待するのは難しいかなという気分になりました。