レヴェナント 蘇えりし者

ディカプリオ念願のアカデミー賞受賞。熊ちゃん。大好きなイニャリトゥ。期待する要素しかない「レヴェナント」へ。いやー、こちらも大傑作だったなあ。

ディカプリオの演技は評判通りの凄まじさ。熊ちゃんにべろんべろん舐められたり。鼻水凍らせながら這いつくばったり。やたらと生もの食べたり。死んだばかりの馬の腹の中で寝たり。こんなタフな人たちと戦うのぜったいヤダとか思いながら観てました。

しかしそれ以上に印象に残ったのが撮影の素晴らしさ。エマニュエル・ルベツキ。「グラビティ」「バードマン」そしてこの「レヴェナント」で3年連続のアカデミー賞。それも当然というほかない、完璧な絵づくり。変にぶれぶれにしたり、シンメトリーにこだわるような、奇をてらうタイプのクリエイターではないけど、引くべきところ、寄るべきところ、どちらも明確な意図が伝わるし、色彩と陰影に関する尋常じゃないこだわりが伝わってくる。イニャリトゥとの相性もばっちりだよね。ストーリーと撮影が深い必然性のもとに結びついている。そしてひとつひとつの絵がとんでなく美しい。こういう映画こそ、映画館で観るべき映画ですよ。これこそが映画ですよ。比較的長い映画なのに、まったくその長さを感じさせず。終始興奮しながら、食い入るように観てしまいました(首がますます痛くなった苦笑)。

教授の音楽もとても良かったな。こういう映画が観れて幸せです。