彷徨える河

ドイツの民族学者。アメリカの植物学者。実在したという二人の探検家が、数十年の時を経て、それぞれにアマゾンを彷徨う。ドイツの民族学者を案内した先住民族の生き残りの青年は、老齢を迎え、アメリカの植物学者に出会う。失った記録をたどるように、再び同じ河を行く。彼が頑なに守り続けてきた森の掟。それを蹂躙するものたち。二つの時間軸を重ね合せる構成は見事。ラストの幻覚表現などはやや古臭く、雰囲気に流されすぎているところもあると思うが、ぬめぬめとした白黒の映像は艶かしく、美しく。久しぶりにカメラを持ち出して色々なものを撮りたくなった。