聖の青春

将棋好きとしては観ておかねばならぬ作品ということで、割と公開してすぐに観に行ったんだけど、これのレビュー(というほどのものではない観覧記だが)を書くのを失念していた。

良作揃いの本年の日本映画のなかで、これもまた良くできた秀作だった。将棋ファンにとってはおなじみのあんなキャラクターやこんなキャラクター(というか実在の棋士)がとてもいい感じ。羽生さんがそんなこと言うかな〜と首をかしげるところもあったけど(あなたに負けて死ぬほど悔しいだっけ、こっちはいかにも言いそう笑)、先崎さん(なぜかこの映画では荒崎さん)とか、森師匠とか、きっと実際にあんな雰囲気で村山さんに接していたんだろうなあ、と目を細めるばかりでした。先に将棋関連の動画などで情報を取り過ぎてしまい、映画の出来としては期待値には届かなかった気もするのだが、実際の棋譜をもとに2時間以上の長回しで撮ったという最後の対局シーンは圧巻。終局したところ(村山が投了したところ)でカットがかかったんだろうけど、その直前と思われるシーンの主役二人の表情、佇まいは演技を超えた何かだったと思う。この対局部分ノーカットで見てみたい。