Gracias

変な時間に目が覚めてしまったので簡単に。

昨日、城福浩監督の解任と大熊清監督の就任が発表された。

城福監督が東京に来てくれたのは2008年。2004年のナビスコカップ獲得以来、どちらかといえば辛いことが多かった東京。その中でも最もしんどいシーズンだった2007年の翌年。行き詰まり感が強かった当時の東京に城福さんが与えてくれた刺激はとてつもなく大きかった。ガーロ体制でもろくも崩れ去ったパスサッカーへの転換。主導権を握るサッカーへの転換。城福さんは高い理想を掲げ、これまでの東京にはなかった練習を取り入れ(多色ビブスでのワンタッチゲームとか)、少なくともその土台を築いてくれた。2008年当時、ワンタッチでのパスが5本、6本とつながるゲームをみて、これ東京なの??って驚愕したことは、いまもはっきりと覚えている。

2年目となる2009年には5年ぶりとなるタイトルをもたらしてくれた。堅守速攻、カウンター主体の縦に早いサッカーを見慣れていたせいか、当初は城福流の「つなぐ」サッカーにいらいらを募らせることの多かった東京ファンたちも、だんだんとそのスタイルの美しさと強さ、その先にある理想を理解しはじめ、選手、フロント、ファン、全ての人が城福さんのビジョンを共有し、とてもいい雰囲気で始まったはずの2010年・・・いやはやサッカーは本当に難しい。

現在のチームの成績を考えれば、解任はいたしかたない決断だと思う。最近の城福さんのやつれ方は尋常じゃなかった。志の高さゆえの、理想主義者ゆえの苦悩。必要以上に多くのことを抱え込んでしまうのは(比較するのもおこがましいが)同じように生真面目すぎる傾向がある僕にはとても良く分かる。今の城福さんには休養が必要・・・

補強の失敗、頻出したけが人、慢心・・・2010年の東京のチャレンジが上手くいかなかった理由はいくつもあるだろう。ただ、Twitterで見かけた「あまりにも城福東京すぎた」という言葉は的確だと思う。城福さんの優秀さゆえに、チームも、フロントも、ファンも、城福さんに全てを委ねすぎてしまった。城福さんに頼るばかりで、城福さんを支えることができていなかった。その反省は今後に生かすしかない。

この局面で大熊さんというのはとても東京らしい判断で、正直、その身内体質には疑問がなくもない。しかし今は、なりふりかまわず残留を目指すとき。そうした意味では東京を知り尽くしているうえに堅守が持ち味である大熊さんは最適な人材なのだとも思う。今度こそ、私たちも悔いのないように熊さんを支えていかなければ。

そして城福さんには、ほんとうに感謝の言葉しかありません。

まずはゆっくり休んでください。

城福さんほどの人であれば、次の職場がないってことはありえないでしょう。敵として闘うのは辛いので、できればそれが代表に関わるものであればとか、勝手に夢想してます。たとえ敵になったとしても応援しますけどね。東京とやるとき以外は(笑)

そしていつかまた、青赤で一緒に理想を目指しましょう。

きっとその日がくる。わりと近いうちにやってくる。

僕はそう信じています。