降格について

※以下mixi日記からの転載です。

さすがに何か書いておいたほうがいいのかな。

2010年12月4日、FC東京がJ2に降格した。

先週の山形戦に勝てなかった直後、それまで京都まで観に行くつもりはなかったんだけど、やっぱりこれはいかなきゃいけないと思った。10年も応援してきたチームの最大のピンチ。何が起きるにせよ、その現場にいて、見届けなきゃいけないと思った。

土曜日の前日はアホみたいに飲んでしまい、家に戻ったのは3時近かっただろうか。それでもなんとか8時に起きて、9時に家を出た。新幹線に乗って新横浜から京都へ。今年だけでももう何度目になるんだろう。登戸から武蔵小杉、菊名から新横浜へ。しかし通いなれたこの道を、まったくいつもとは違う心持ちでゆく。緊張していた。二日酔いのせいでもあるけど、猛烈に頭痛がした。そうか、これが残留争いってことなんだな。ずっと前からそうだったんだけど、この日になって初めて、ほんとの意味で緊張した気もする。

Twitterを覗くと、ビワコ先生も似たような時間に京都に向かってる様子。京都で落ちあって、二人でスタジアムに向かう。500mlのプレミアムなビールをかっ喰らう。なんの話をしてたんだっけな。あまり明るい話題はなかったような気がする。座ってると腰が痛いとか、そんな感じ(笑)。

スタジアムに入ると、本来はホームの席であるはずのエリアが青赤だらけ。いったい何人の人が東京から駆けつけたんだろう。いつものことながら東京のゴール裏には悲壮感よりも楽しんでやる!という雰囲気が漂っている。青赤の旗がきらめく。壮観。

しかし肝心の試合は・・・まさに今年一年間を象徴するような試合だった。米本や達也は観ているほうが辛くなるぐらい動きが固かった。否、チーム全体が固かったのかな。チームとしてボールを前に運ぼうという意思を感じられない。肝心なところで前を向こうとしない。そしてもたもたとしているうちに、(今の東京にとっては)致命的ともいえる先制点をくらう。

後半は梶山をセンターバックに下げてまでのパワープレイ。とはいっても、がっちがちに守りを固める京都のペナルティエリアに山なりのボールを放り込んでるだけ。さぞや京都は楽だったろうな。こういうことやって点が入るところみたことないよね〜。ビワコ先生とぼやく。

ご丁寧なことにカウンターからの追加点までくらってのタイムアップ。とにかく弱かった。この日の東京はびっくりするぐらい弱かった。もうこのチームを10年間みてきたけど、たぶんこの日の東京は10年間で一番弱かったと思う。あまりにも弱いもんだから悔しいという気持ちさえ湧いてこなかった。ああ、こりゃ降格ぐらいしますよ。そんな感じ。サッカーは残酷だけど正直だ。こんなサッカーしかできないチームなんだから、降格は意外でもなんでもない。きわめて順当。正当な結果。

試合後はガス時代からのオールドファン(レジェンドな方々)と酒席をともにする幸運に恵まれた。みんなで卑屈モード。J2ですけど本物のビールとか飲んでいいんですかね。やっぱりJ2は発泡酒ですよね。などなど。帰りの新幹線に乗るまで、ずっと笑ってた。さすがに昔からのファンの人たちは精神構造がタフだ。かっこいいな、みんな。

でも新横浜で新幹線を降りて、いつもの例の道、菊名から武蔵小杉へ、そして登戸から狛江へ、とゆくうちに、じわじわとこみあげてきた。ああ、ほんとに落ちちゃったんだな。。。悲しいとか、悔しいとか、そういう分かりやすい感情じゃない。もっとずんとした、胃の奥の奥、もっと深いところに澱がたまるような感じ。

今年僕は、ソシオ10年目を迎えた。来年はなんか違う色のバッジとかもらえるらしい。その年がまさかこんなことになるとは、思ってもみなかった。思えば今年は、この10年間でもっとも試合をみていない年でもあった。土日も関西にいることが多くて、ホームゲームも半分ぐらいしか見ていないんじゃないかな。僕が応援しなかったから・・・なんてことは思わないけど、それでも自分も含めて、どこかチームに油断があったことは否めないだろう。
東京という地の利に恵まれ、ファンに恵まれ、東京というチームはこれまでなんとなく上手くいっているように見えていた。でも思い返してみれば、ずっと低落傾向にあったことも事実なんだろう。企業でも、家庭でも、あるいは国でもなんでもそうだけど、崩壊は突然やってくるわけじゃない。なんとなくごまかせていたことが、ついにごまかしきれなくなっただけ。そんな気もしてる。

でもどんなにつらくても、サッカーは続いていくし、東京というチームも続いていく。そして僕は、もうサッカーなしで、東京なしで生きていくのは難しくなっている。

落ち込むなと言われてもそれはまだ難しい。ふと油断すると「J2か〜」とつぶやいてしまったりもする。でも僕は、ピッチにへたり込む選手達を観ながら、やっぱり自分はサッカーのことを、なかでもこの東京というくそったれなチームのことを、心の底から愛してるんだって、そう実感できた。この日の選手たちは無茶苦茶に下手糞で、どこにも良いところがない情けないやつらだったけど、それでも青と赤のユニフォームを身に纏う彼らのことが心の底から愛おしかったし、ピッチは美しかった。

だからやっぱり、京都に行って良かったんだと思う。

なあに、J1だってJ2だって同じサッカーさね。J2には食い物がうんまい地域のチームもたくさんあるしな!!これまで対戦したことのないチームとたくさん対戦できるなんて!超楽しみじゃん!!

楽しもう。楽しんでやろう。ほんとのこというと、今の東京はJ2のサッカーは苦手だろうな(今年もカウンター主体の相手には全く勝てなかったもんな〜)とか、一年で戻ることができれば客も離れないだろうけど、もし失敗したらその先はどんどん先細るんだろうなとか、いやな予感もたくさんある。でも不安を数え上げても仕方ない。チームに前を向けよという前に、まずは自分が前を向かなくては。

それでもサッカーは続いていく。そして東京がいてくれて、東京が前を向いてチャレンジしてくれるかぎり、僕の東京ライフも続いていく。