チェルフィッチュ「ゾウガメのソニックライフ」

神奈川芸術劇場こけら落とし公演。宮本亜門演出の「金閣寺」はジャニ効果で満席らしいですが、こちらはまあ適度な入り。でもって私は初チェルフィッチュ
分からん。じじいには何がいいのかわからん。
いやまあ、なんかカッコよさげに色々書こうと思えば書けると思う。「演劇」というフォーマットを脱構築する試みだとか。平成のリアリティとか。解釈の自由度に比例して拡張していく意味とか。ステージと観客席の境界線が揺さぶられ、幾重にも重なる(メタ)モノローグに私たちの認識もまた揺さぶられるとか。。まあそういう90年代っ子的言葉を使わなくても、シンプルでありながら考え抜かれた美術とか、途中ちょいとテンションがあがるところで炸裂するきわめて現代的でニヒルなユーモアとか、宮沢さんの「ニュータウン入口」だったかな、なにか別の舞台でもみたことがある山縣さん、彼はいい役者さんだな〜とか、もっと素直に好きなところもあったし、「日常」というテーマにも魅力を感じたんだけどね。。。岡田さんの「言葉」には確かに何かある。それは分かった。
しかしまあ演劇としてもパフォーマンスとしても退屈すぎるわ。。
個人的な好みの問題かもしれんけど、やっぱり「美しい」と思える瞬間がない舞台にはワクワクしないのかも。例えばピナ・バウシュのウッバタール。あれはもう役者の舞台での立ち姿だけで鳥肌立つほど美しいじゃないですか。基礎がしっかりある人の身体表現ってやっぱり文句なしにすげえ、って興奮する。そういう部分がなさすぎるんだよと思ってしまうのは、やっぱり僕がジジイになったからなのかな〜。
でもまあ、他の作品もちょっとみてみたいとは思った。「3月の5日間」は面白かったって話も聞いたしな。これまでの作品をわりとたくさん観てる人によると、今作はチェルフィッチュのなかでは分かりやすい作品とのこと。じゃあ分かりにくい作品ってどんな感じなんだろ、という興味は持ちました。