アーティスト・ファイル

国立新美術館のアニュアル企画。毎年楽しみに通っております。が。。

きれいにまとまってはいるけど「あれに似てる」的な既視感のある作品(作家)が多かった気もする。これは観る側の慣れてしまったという問題なのか、それとも選ぶ側が新しい才能を発掘しきれてないのか。。どっちもあるかな。。ひょっとしたらありとあらゆる表現が出尽くしてしまって、作家たちも新しい表現を探しきれていないってこともあるかも(それはSICFでもちょっと思った)。

とはいえ、ゆったりとしたホワイトキューブの中で気鋭の作家たちの作品を見ることができるこの企画は、やっぱりありがたい。安定感があるぶん、むしろ現代美術にふれる機会の少ない人には安心して薦められる内容になっているのではないか。

松江泰治の写真はとても良かった。隅々まで異様なほどにクリアに撮影された世界各地の都市の俯瞰写真。冷徹な視点から見下ろされた都市の風景は非現実的でありながら、「生」の臭いも感じさせる。当たり前のことなんだけど、都市は、その都市に暮らす人々の生き方の集積のカタチをしているんだな。