シリアスマン

わー。ウルグアイやったな〜(唐突にコパアメリカのこと)

えっと、コーエン特集兄弟の二本目は「シリアスマン」。

ブラックユーモア満載、なんだけど日本人には分かりにくい話、ってのが町山さんの紹介だったように記憶してるけど、確かにその通りの映画だった。なぜだか映画の途中でジョーカーのことを思い出してみたり。「Why so serious?」

簡単にいえば、真面目に実直に生きてるひとりの男が、なぜだか次々に「ついてない」としかいいようのない出来事に巻き込まれていく映画。子どもにあごで使われてるのは本人の責任もあるだろうけど、話の通じないアジア人とか、やたらと人を不安にさせるはっきりしない上司とか、迷惑ばかりかける身内とか。あの奥さんの浮気相手にいたってはもうね(笑)。でんでんですか、みたいなww。

まあでも、それこそジョーカーじゃないですけど、なにをそんなに深刻ぶってんだよ、そんなもんだよ人生はって感じで、僕はその諦観には(同情しつつも)共感しました。ユダヤ教なりユダヤコミュニティなりに対する皮肉や風刺も強く感じるけど、僕自身は真剣に正しく生きれてばいつかいいこともある、なんてことを信じてるロマンチストはどちらかといえば苦手なわけで、コーエン兄弟もきっと、そんなぬるいロマンチシズムに対する痛烈な皮肉を込めたんと思うな。

『身に降りかかる出来事をあるがままに受け入れよ』。映画の冒頭でラビが語る言葉なんだけど、コーエン兄弟はその言葉が普通に想起させるのとは別の意味で、とっても道徳的な映画をつくったんだと思います。そうそう、そういえば「がんばたって無理だよ!」と言い切った名曲もあったよね。あの名曲がそうであるように、それでも頑張ってる奴をあざけってるばかりじゃないあたりがグッド。

http://www.youtube.com/watch?v=FaOvGI276Hc