パウル・クレー展ーおわらないアトリエ

最近、展覧会を見に行くのが会期末ぎりぎりだったりすることが多くて、ブログを書くころにはもう会期が終わってるというね(苦笑)。で、先週末でこの展覧会も終わってしまったのですが、一応観ましたよの記録だけ残しておきます。行ったのが最終日前日の土曜日でものすごく混んでたから、あまりちゃんと観れてないんだけどね(苦笑)。
もう日本でもいやという紹介されてるクレーだからこその一工夫加えた構成には素直に喜びました。
まずは細長いアプローチ空間を造って、そこに生涯4回のアトリエの引っ越しの度に作風が変わっていくことに注目し、それぞれのアトリエごとに時々の作風を紹介する。そこから大空間に誘導し、今度は「切る」「貼る」「塗る」「裏返す」などの「技法」に着目して作品を紹介していく。この「技法」に着目した大空間。あえて部屋自体の壁面は使わず、三角柱の展示壁をアイランド型に配置して、それをぐるぐると回りながら観る構成になっているんですよね。幾何学的な「カタチ」の再配置から詩情豊かな「絵画」を生み出すクレーの作品との呼応を企図したんだろうだけど、ちょっとした冒険感があって楽しかったな。空いてればもっと楽しめただろうな(本日三度目の苦笑)
それにしても美術館が混んでるのは職業柄もあって原則嬉しいわけですが、こういうの観にくるとね、現代美術も以前よりはファンが増えたとはいえ、まだまだ集客力では差が大きいなとも実感するわけです。クレーなんてしょっちゅう来てるのにね。1500円取ってもこれだけ客が集まるんだもんね。すごいよな〜。
客がくること(=儲かること)だけが全てじゃないけど、現代美術の展覧会をもっと興行としても成立、発展させていくためにはどうしたらいいのかな。なんてことを考えてたら作品自体への集中力が欠如しちゃって、あまり美術を観た充足感がなかったりもしたのですが、それもこれもきっと混雑のせい^^