スーパー

いやー、面白かったなー。
馬鹿映画って以外と基本に忠実にできてる映画が多い(気がする)。この映画もきれいな三幕構成。その一幕目は、とある冴えない男性がとんでもなく綺麗な奥さんに出て行かれるお話。リブ・タイラー綺麗。ケビン・ベーコンの悪辣っぷりが素敵。でもなんたってね、フランクこと、レイン・ウィルソンの佇まいが素晴らしい。トレイラーにもでてくる俺の車に触るな→指でちょんのシーンは泣けるわ。まじで。
で、二幕目では、どん底まで落ちたフランクがアメコミと出会い、ださかっこいいクリムゾン・ボルトが誕生する。彼に影響を与えたアメコミの安さがもう噴飯ものなんだけど(笑)、「シャラップ・クライム」と叫びつつボルトで悪者をぶん殴るクリムゾン・ボルトは真剣だ。そして彼の相棒になることを熱望するエレン・ペイジが登場する(彼女ってインセプションとかにも出てたのね。気付かなかった)。ロリっぽい、それこそある種のオタク心を鷲掴みにするルックスもいいんだけど、これがまたキック・アスの彼女(クロエ・モレッツ)をも上回りかねない強烈キャラ。井口映画かよって感じで、やり過ぎ感の強い残酷暴力ギャグも炸裂しまくり(なんだけど、ちゃんと暴力の本質的な危険さにも言及してると思う)。
で、クライマックスの三幕目は、大ボス、ジョックの邸宅への殴り込み劇。安いけど情熱あふれる映像。普通に映画としてあがる。で、あがるだけじゃなくて、ちょっと書けないことがあって、、、
そしてこの映画、そのクラマックス後のエピローグが素晴らしいのだ。完璧な瞬間。映画における完璧な瞬間って、たとえばこのエピローグの、抒情がこみ上げてくる、とあるカットのようなことを言うんだと思う。ここでかかる主題歌も完璧なんだよね。おっさんはもう号泣ですよ、号泣。号泣メーン!!
とにかく安い仕上がりだし、残酷シーン満載だし、ストーリー的にも荒唐無稽なところがたくさんあるから、けっしてターゲットレンジの広い映画ではないだろうけど、僕は大好きだな〜、この映画。というか僕が一番好きなタイプの映画ですよ。映画への情熱とか愛があふれまくってる。タマフルの政所さん風にいえば、笑えるし泣けるし最高じゃないですかってことですよ。
おしむらくは映画館がガラガラだったこと。シアターNは割引してる日が増えたから、それ以外の日が空く傾向があるのかもしれないけど、それにしても7人しかいない映画館はな〜。この映画は日々つらい思いをしているおっさんを応援する映画なんだと思うけど、日本ではとにかくおっさんが映画館に行かないよね。
素敵な映画はたくさんあるんだから、もっともっとおっさんも映画館に行くべき。