天皇杯優勝

元日。サッカーファンにとっては新しい年の幕開けというよりは長い長いシーズンの最終日という印象がある。天皇杯決勝。日本全国に何千とあるサッカークラブのうち、この日、この場所で試合ができるのはたったの2チーム。我がFC東京が、史上初めて、この名誉ある舞台にたつ。徹夜での仕事明けだけど、この試合に立ち会わないなんて選択肢はあるはずもなく。全身の筋肉痛と冷えが取れない身体にむち打ち、国立競技場を目指す。

2階席の最上部。先に会場に入った妻子たちが取ってくれていたのはなかなか見晴らしの良い席。「12」のコレオグラフィに彩られたゴール裏をにやにやと眺めながらキックオフを待つ。

この試合での退任が決まっている大熊監督。彼のサッカーが好きかと言われると返答に窮するところもあるが、トーナメントに強いのは間違いなく熊さんの良いところ。この試合でも、相手の特徴をつぶしつつ、的確に弱点をつく戦術は見事だったと思う。大木さんのパスをつなぎまくるスタイルが浸透してとても魅力的なサッカーをするようになった京都。その弱点は。。。熊さんの大好物でもある「サイドの裏」なんだよね。

低い位置からのグランダーで、中央からのポストで、あるいは大きなサイドチェンジで。ありとあらゆる手段を使いながらサイドの「スペース」を攻略する東京。その成果は前半だけで何本あったか覚えきれないほどあったコーナーキックにつながっていく。バッドアクシデントで先制されたあと、すぐに追いついたのもコーナーから。あれを今野が押し込んでなければ、焦りが出た可能性もあるけど、今年(2011年シーズン)での相性の良さもあるのか、以降はほとんどの局面で相手を上回る強者ぶり。森重のスーパーなフリーキックとか、なんすかあれ(笑)。

前半の終わりには中盤での競り合いからのこぼれ球を落ち着き払ったルーカスが決めて3−1。後半にも椋原の素晴らしいタイミングのあがりからルーカスが決めて4−1。京都の魅力的な若武者、久保に一点返されるものの、残り時間はほとんど危なげなくホイッスル。4−2。素晴らしい!!!!

覚えきれないほどたくさんのカップを受け取った表彰式。いろいろと欠陥もあるチームけど、決勝戦での勝負強さにに関しては素晴らしいよね。東京。負けた記憶ないもんね。そもそも決勝に行ったのが三回だけというのもあるけどさ(苦笑)。「祭り」を楽しめるのは東京の良いところ。ファンも、チームも、最高に楽しんだ決勝だったと思う。

アミノバイタルで開催されたという優勝報告会は体調を考慮してパス。個人的には30日(横浜でのイベントの準備)から続いていた長い長い年末年始の「祭り」の終わり。すっかり抜け殻のようになってしまっていたけれど、家に戻って熱燗を飲んでたら、じわじわとこみ上げてくるものがあった。

よいスタートになったな。2012年。