カーネーション

最近は朝ドラを観てからtwitterでカーネションのタグを追うのが日課。朝ドラにこんなに夢中になる自分。新鮮です(笑)。

町山さんがラジオでも語っていましたが、このドラマ、皿を洗いながら片手間で観る、ことができないんですよね〜。15分。毎回毎回超濃密。テレビの前で正座しちゃうぐらい。真剣に観ています。映画っぽいというか、演劇っぽいというか、台詞で語る部分と目だけで語る部分の使い分けが絶妙なんですよね。そしてそれに応える役者陣の演技も素晴らしくて。これまで演技力には疑問符がついてた人も含め、登場人物みんながきらきらと輝いています。なんという脚本!なんという演出!なんという演技!!

週毎の副題は「花言葉」らしいですが、先週、先々週はもう神懸かりとさえ思えるレベルでした。「鮮やかな態度」「悔いなき青春」。どちらも幾重にも意味が重なってくるタイトルなのですが、尾野真千子の最終日となる先週の土曜日、あそこで善作(小林薫)がでてきたのには参った。一瞬で画面を支配する小林さんの演技力も凄まじいけど、あの麻生さん表情は!!俺、あんなに美しいお酌みたことないよ。あんなに柔らかくて美しい笑顔、みたことないよ。でもってミシンを愛でる糸子のラストショットへ。この一連の流れには完全に殺されました。朝っぱらから号泣。千代さんも、糸子も、まさに「悔いのない青春」だったんだな〜と。

前にfacebookに「カーネーションが面白い」的なことを書いたら高校の同級生から「なにかしらの創作に関わってる人には特に評判がいいみたい」というコメントがあったのですが、それはすごく良く分かる気がします。真摯に何かを創り続けていくことの苦しさと喜び。このドラマには真摯に仕事を続ける人へのリスペクトがみじんも揺るぐことなく貫かれています。「生きてください」とか「がんばれー」とか、声高に叫ばれることはありませんが、おれももっと頑張ろう。もっと頑張っていいものを創ろうという意欲がわいてくるんです。暑苦しく叫ぶのもいいけど、そうだよ、こんなにひっそりと、でもとてつもなく強く響く語り方もあるんだよと。このドラマを観ているとそんなことを思います。

来週からは大熱演だった尾野真千子からバトンタッチして、夏木マリさんが糸子を演じるんですよね。普通に考えれば終幕に向けたエピローグ??となりそうな気がしますが、きっと脚本の渡辺あやさんはそんなつもりはないでしょう。実際の綾子さんは72歳で新しいブランドを立ち上げたとも聞きます。最後まで真剣にものを創り続ける糸子を見届けたいと思います。