劇団黒テント「シェフェレ」

最後のシーンの美術を含めた演出には目を見張るものがありましたが全体的には低調だったかな。日本語に訳しても魅力的になりづらい本なのでは??ようやく気分が乗ってくるたびに説明台詞が入り込んでくるのは辛かった。原語で聞けば、そこも含めて音楽的に聞こえたりするのかもしれないけど。。。宗教心や老いをニヒルに笑うあたりは日本人にも十分に分かる話のはずで、主題が分かりにくいとは思わないんだけど、なんだろね、話の順番というか、台詞の組み方は大胆に変えてしまわないと日本語劇としては成立しづらいように思いました。
友人の宮地は相変わらずすげえ頑張ってて、あの根性はほんとにたいしたもんだと思うんだけど、役どころとしてはね。。。あの役って男に振り向かれなくなったババアがいまだに色気付いてるから切ないわけで、でも宮地がやるとまだ色っぽく見えちゃうんだよね。現役の娼婦に見えるというか。まだチ○コたつというか。。。とかいうと本人は地団駄踏んで悔しがるはずだけど、ただこれは本人の才能とか努力の問題じゃなく、キャスティングの問題ですわな。巡り合わせ?
鏡の使い方とか、ラストシーンの神々しさとか、キラリと光るところもありましたが、日本語劇として面白くするための工夫(というか時間)は足りなかったのかなと。原語の映像を観てみたいと思いました。

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てな感想もありつつ。イワトでの公演がこれで最後というのが本当に寂しい。僕は演劇を見始めたのが遅かったし、黒テントも宮地と出会ってからだから、ほんとに最後の2年ぐらいしか立ち会えていないわけだけど、それでもすでに大好きな場所になっている。ずっとこの場所に愛着をもって、この場所を育ててきた人たちの寂しさはいかほどだろう。
演劇に限らず、今は文化に携わる人にとっては厳しい時代だけど、愚痴ってばかりいても何も変わらんし、少しずつでも状況を変えていかないとね。。そこは僕もがんばらなきゃいけないところ。