十七戦地『花と魚』

twitterに書いたものを再掲します。

花と魚、雑感。演劇って難しい。上手くなることと良くなることが必ずしも一致しないというか。

初演時に比べると役者の力量は総じて向上していると思う。言葉にしなくても表情や動きだけで伝えられる役者が多いというか。でもそのことでやや言葉が過剰に思える場面もあった。

柳井君は言葉の人なのだろうなあ。言葉(台詞)で受けなくていいところまで説明しなおしてるように感じる部分があって、それは小説なら必要だろうけど、演劇で必要な言葉なのかしらと思ったりしました。

でも、ラストの説得力は初演時より格段に向上している。運命だと分かっていても抗うこと。そのテーマが前回より強く響いたのは、一つには震災からの時間の経過の問題かもしれないが、やはり演劇としての強度が増したということでもあるだろう。

初演時の瑞々しさと今回の強度。どちらが好みかといえば難しいところ。でも蛇行しながらも着実に前進してる感じがして、やっぱり好きだな、この劇団。

脚本に力があることは間違いない。これだけしっかりとキャラクターをつくれる作家はそうそういないと思うし、物語としての面白さも申し分ない。だからこそ、もう少し、役者の身体的な説得力に委ねる部分があってもいいのではと思ったりしました。

毎度のことながら素人が生意気にすいませんです。