ゴジラ(デジタルリマスター版)

不朽の名作を映画館で観れる。ということで行ってきました。まわりは大きなオトモダチばかりでした。

もうね、冒頭のね、スタッフロールだけで泣くわけですよ。あのダダダン、ダダダンって音楽にのってね、特撮 円谷英二、音楽 伊福部昭、監督 本多猪四郎ってね、次から次に偉大なるレジェンドたちの名前が流れてくるわけですよ。これで泣かない人いないでしょ!!いないよな!!!!

そしてもうこれはわざわざ文字にするのも憚れる、映画全体に漲る熱意と創意工夫。デジタルリマスター版ってことで、予想どり映像がクリアになっていて、そのことで逆に醒めちゃうところもあるかなと心配したりもしたんだけど、結果からいえば全然問題なかった。というか、そんなノイズとか、スクリーンのサイズがどうとか、そんなことで印象が左右されるような強度じゃないんだよな。この映画の強度は。。

ストーリー、撮影、演技、演出、全てが素晴らしいけど、今みるとやっぱり高圧電線のところが印象に残る。あの高圧電線がまさにいま東北に作られようとしている巨大防潮堤にしか見えないのは私だけではないだろう。もちろんそれは偶然の一致にすぎないのだが、優れた批評は時に未来を予見する。人間の業から生まれおちた怪獣。そしてその業への向き合い方にもまた深い業が連鎖する。ある意味では意地悪とさえいえる、批評の目。その意地悪さこそが日本怪獣映画の特徴であり、魅力であり、そしてその原点を築いたのが、この1954年版「ゴジラ」であることに改めて深く感じ入った。

「今回は大丈夫です!」と町山さんが言い切ったハリウッド版ゴジラの予告編も鑑賞。えっと、ほんとに大丈夫なのかな。。。予告編だけをみると社会批評よりもヒロイックな恋愛ドラマに力点が向ってるように見えたけど。。。まあ間違いなく観に行くとは思うので、町山さんの太鼓判どおり、今度こそ僕らが観て興奮するゴジラになっていることを期待しつつ、公開日を待ちたいと思います。

実はまだ観てないって人に、あとビデオでは観てるけど映画館ではまだって人にも、この機会に劇場で54年版に触れておくことを強くお薦めいたします。