ビッグ・アイズ

最初から最後までクリストフ・ヴァルツの独壇場。お話としては興味深いし、いちおうアート業界にいる一員としてもろもろ感じるところはあるのですが、ちょっとヴァルツ色が強すぎるような気もしました。

ティム・バートンは、もちろん初期の作品は大好きだし(いわずもがなのバッドマンとかね)その独特のスタイルにはリスペクトもあるんだけど、ジョニー・デップとのコンビ以降、あまり好きな映画がない。

主人公(じゃなくてメインの悪役か)のキャラクターにひっぱられる傾向が強いのかな(考えてみればバットマンジャック・ニコルソンに支えられた映画だったし)。クリストフ・ヴァルツの場合はジョニー・デップほど消費されるキャラクターにはなりえないだろうが、あまりこの二人のコンビが長く続いたりはしないでほしいなとか、そういう余計な心配をしてしまいました。

とはいえ愉快痛快エンターテイメントに仕上がってるところはさすがで、なおかつ悪辣な男性にもどこかしら哀愁が漂うあたり、納得のバートン節とも思います。好きなところとイマイチなところを足したり引いたりすると(凡庸で特徴のない映画という意味とは違うけど)結局平均点ぐらいかな。