おみおくりの作法
銀座にて。まわりの高齢っぷりにびっくり。そうかあ、こういう映画は高齢者に人気があるんだなあ。そして、泣かせる映画にまんまと泣かされる自分にある意味苦笑。ヤキがまわったぜい笑。
いやでもほんと、とても上質な映画だったと思います。エディ・マーサンの佇まいがもう反則級なんだけど、それを十二分に生かしつつ、説明しすぎず、ちょっと抑制しすぎなぐらい抑制し、でもとても平易で、分かりやすく、そして美しい映画に仕上がっている。
イギリスと日本って、やっぱりなにか深いところでつながりあうところがある気がするな。いやもちろんイギリスと日本に限らずありとあらゆる世界の人々がつながりあっているんだけど、そういうことじゃなく、なんだろう、表現のリリカルさとか、切なさへの偏愛とか。文学的な資質、志向においては特に共通点が多い気がしてならない。
(以下激しくネタバレなので未見の人は読まないで)
この映画のクライマックスには色んな案があったと思う。特に、主人公の生死はどうあれ、最後の最後に渾身の弔辞を読ませる手はあったはず。でもあえてそれをしていないのがとても良いと思いました。そのことで立ち上がってくるテーマの奥行きに、僕は一番感服し、また涙しました。
ヤキがまわったぜい^^