インヒアレント・ヴァイス

今年は(も??)良い映画が多くて嬉しいな〜。ピンチョンの原作をPTAが撮るという時点で僕が嫌いなはずがないんだけど、それでもやっぱり残ってた不安をホアキン・フェニックスが払拭してくれた。細いツッコミどころはたくさんある映画だし、PTAらしさという意味でも不満がある人もいるだろうが、僕はこの映画全体の底流にある「優しさ」がとても好き。なんとなくヴォネガットを思い出したのです。

「こんにちは、赤ちゃん。地球へようこそ。この星は夏は暑くて、冬は寒い。この星はまんまるくて、濡れていて、人でいっぱいだ。なあ、赤ちゃん、きみたちがこの星で暮らせるのは、長く見積もっても、せいぜい百年ぐらいさ。ただ、ぼくの知っている規則が一つだけあるんだ、いいかい——なんてったって、親切でなきゃいけないよ」