007 スペクター

実に9月以来の映画。前作「スカイフォール」が映画史に残る大傑作だっただけに、期待もありつつ、いくらなんでもあれを超えてくることはないだろうとも思いつつ。

一本の映画としての完成度はやっぱり「スカイフォール」のほうが上だと思います。ストーリーには無理があるし、ラブシーンは唐突だし(これはいつものことだけど笑)、アクションもちょいとご都合主義というか、ひたすらド派手。異様なほどにアート性が高かった前作と比べると「力技」に頼りすぎかなと。「スカイフォール」の評価があまりにも高かったので、あれを越えようとして力みすぎたのかしれないですね。クリストフ・ヴァルツも珍しくいまひとつ。

でも映画が進むにつれダニエル・クレイグ版ボンドの集大成、大団円感が半端なく。ああ、これでクレイブ版のボンドは見納めなのだろうかと思ったら無性に泣けてきた。

なんだかんだいいつつダニエル・クレイグ版のボンドはかっこよかったなと。あのカフスをなおすしぐさ。ぱんっと胸をはった走り姿。トム・フォードのスーツ。ダニエル・クレイグは、とてもオリジナリティのあるボンド像をしっかりと確立したと思う。

これだけまとめといてもう一本あったらびっくりだけど、これでクレイグ版のボンドが終わるのであれば、これはこれで良い大団円だったのではないかと思います。ネタバレになるからいえないけど、あのラストシーンは泣けましたわ!!

あとあれね。オープニングの死者の祭り。超かっこよかったね。あのカメラワークはサム・メンデスの映画だなあと。グレイグはこれで終わりなんだろうけど、サム・メンデスは続投するのかな。007はまた帰ってくるみたいなクレジットが最後に入ってたけど、次のシリーズもまた楽しみであります。