リトルプリンス 星の王子さまと私

ストップモーションアニメーションは大好物です。予告編でとても好きな質感の絵を見て、そしてもちろん、サン=デグジュペリの原作は大好きで。娘を誘って二日連続のバルト9へ。

号泣しました。

大人になんかならない。ほんとうに大切なものは何か。そうした原作のテーマには正直いってピンとこないところもあるんだけど、世界中で愛されている名作の、でもちょっと時代とはあってないともいえるこの物語を映画化するにあたってマーク・オズボーン監督がとったアプローチ、それが「物語を包み込む」というアイデアだった。この映画がオズボーンが語っていることは何か。それは大人と子どもの対比ではない。「物語を語り継いでいく」ことの大切さ、美しさだ。

ネタバレしないで見たほうが楽しいと思うのであまり詳しく書かないが、ストップモーションアニメーションとCGアニメーションの組み合わせも、そのアイデアと深く結びついている。クライマックス。これまでストップモーションで描かれていた王子さまがCGアニメーションで描かれる。その意味とは何か。

あとこれは娘に言われて気づいたのだが、この映画の登場人物には「名前」がない。飛行士。女の子。お母さん。教師。それは原作の踏襲であると同時に、やはり「物語を語り継ぐ」というこの映画のテーマと深く結びついている。

「物語」物語を引き継ぐのは誰か。それは特別な才能をもった「主人公」ではない。その物語に触れた私たち自身なのだ。