2016年

毎年終わってしまえばあっという間の一年。でも今年は長かった。
1月には久しぶりの海外、フランスでWood Furniture Japanの展示。テロ直後で渡航するのにもすったもんだあったけど、エマニュエル・ムホーさんの会場構成は大変素晴らしく、充実感のある仕事になった。
2月はスマートイルミネーション金沢。道後オンセナートからのつながりで地元のクリエイターに愛媛県西予市に呼んでもらったのも今年もっとも嬉しかったことのひとつ。
3月にはWood Furnitureの帰国展をスパイラルでやって、太田市美術館・図書館の実施計画を納めた。今年最もたくさん通ったのは間違いなく太田(いまも美術、図書、まち展開、広報、設備、総務の6部門の会議を隔週一泊二日でやっとります。なかでも図書館の開設準備業務は初めての経験ですっげえ難しい。けど超面白い!!)。
4月。チーフプランナーに昇格。中旬に久しぶりに帰省。小中高、それぞれの同窓会を催していただく。Facebookってすげえなとか思いながら帰京した3日後の4月14日21時26分、熊本地震。28時間後の4月16日1時25分、本震。まだ交通もままならないときに実家まで物資を届けてくれたトーチカのおふたり、トーチカのご紹介で実家の片付けを手伝ってくださった小野さんには感謝してもしきれない。
5月。法事で震災後初の帰省。変わり果てた実家、そして熊本城の姿に言葉もなく。とはいえひとまずなんとか暮らしている両親に会えて一安心。
6月、7月。秋に向けてさまざまなプロジェクトが動きだす。例年この時期はお金集めに必死な時期。結果的に今年は(予測はしていたけど)昨年ほど集めきれず。残念。一方、コンペに勝利し、静岡県小山町でのスタジオタウン事業がスタート。
8月。秋のイベントの準備作業が佳境を迎えるなか有田視察ツアー。夏休みがわりに楽しませていただいたその足で三度、熊本へ。両親に付き合わされ、生まれて初めてスポーツジムとやらに行く。この月からスパイラルでの企画書講座をスタート(受講してくださっている皆様に感謝)。スタジオタウンでは大学生たちの滞在制作を実施。
9月からは怒涛の本番シーズンに突入。
9月30日・10月1日、スマートイルミネーションみどり
10月8日〜10日、八王子フードフェスティバル
11月2日〜6日、スマートイルミネーション横浜
11月12日・13日、イベント学会研究大会
11月26日・27日、森のサーカス(全国都市緑化よこはまフェア緑区プレイベント)
12月3日、スマートイルミネーションいずみ
12月10日、スタジオタウンフォーラムin小山
12月21日、道後公園ひかりの実ワークショップ
毎週のように本番があり、ということはその事前に制作業務があり、合間合間でコンペに出たり、引き続き太田に通いまくったりでまったく休めなかった。コンペは勝ったり負けたりだったが、勝ったほうで嬉しかったのは愛知県の仕事が取れたたこと。2023年の技能五輪国際大会誘致に向けた基本構想策定業務。私としても久しぶりの本格的な構想執筆で、これまた久しぶりなのだが最近は毎週のように徹夜になる日がある。この歳になってまだ徹夜・・・年末年始も愛知の原稿だけは書き続けます。
まあ毎年のことながら自分でもあきれるぐらいよく働いた。実りある一年だったと思う。とはいえこの10年ぐらいじりじり下がってしまった業務単価はいまだ改善しておらず、売上売益はまだまだの状況。自分の給料もそうだが、後輩たちの給料も、アーティストやデザイナーさんへの支払いも不十分なままだ。なんとか改善したいのだが先行きは厳しいと思う。安倍ちゃんがなりふりかまわずばらまいていることもあり、オリパラまでは細かい仕事はたくさんあるだろうが、アートフェスティバルが一種のブームになっているのもおそらくオリパラまでだろうし、地方創生やクールジャパンもそう。目先の現金は魅力的だし、利用できるものはなんでも利用すれば良いのだが、この手のドラッグ的な仕事に慢心し、ぬるい仕事に染まることだけは避けたいと思っている。嫌われても。疎まれても。真面目に。誠実に。
仕事以外では熊本地震のことがどうしても真っ先にでてきてしまうが、世界的にはブレグジットがあって、トランプがあって、シリアがあって、自らの殺人を誇らしげに語る大統領がいて。日本では集団的自衛権を容認する安全保障法案が強行採決されて、それでもやっぱり安倍政権は参議院選でも圧勝し。今年もまた着実に、社会は破綻に向けて転がり続けているように見える。それでも、それに対抗するかのように、素晴らしい映画、素晴らしい展示、素晴らしい本が生まれはじめているのも事実だと思う。特に映画の豊作は今年の最も幸せなニュースではないだろうか。こんな時代にこそ、アートは誰かに寄り添える。
プライベートではたくさんの再会に恵まれた一年だった。やたらと太ったり、老眼が悪化したり、ストレートネックに悩まされたり、ちょっとここでは言えないけど他にも色々やっかいなこともあるのだが、それでも僕はやっぱり周りにいる人たちに恵まれていると思うし、幸運な人生を生きていると思う。万感の感謝を込めて。