オン・ザ・ミルキー・ロード

みんな大好きエミール・クストリッツァ。もちろん僕も大好き。

冒頭。この物語は、3つの実話とたくさんの寓話で構成される、といった意味のテロップが表示される。そのテロップのとおり、映画の前半で描かれるのはたくさんの寓話を入れ込んだ、そしてそう、いかにもクストリッツァ的な、ごった煮絵本の世界。「アンダーグラウンド」を彷彿とさせる世界観、テンポの良さに思わず笑みが溢れる。パンキッシュ!!

対して、いわゆる「逃走劇」となる終盤はややダレた印象もある。もう少しここを詰めて、タイトにまとめていたらもっと好きだったかも。

とはいえ、相変わらず音楽はかっこいいし、絵もパワフル。そしてなにより、クストリッツァはいつもだめな人、人の弱さに優しい。ヒューマニズム溢れるラストシーンにはぐっともっていかれた。号泣、とかではなく、じんわりと熱いなにかが自分から溢れ出る感じ。

おそらくは聖書から取られているであろうさまざまな寓話のひとつひとつにまでは理解がいたっていないのも正直なところ。せめて3つの実話が何かは知りたいけど。。どこかに詳しい解説がないかなあ。。でもそれでも十分に満足できるクストリッツァ作品だった。ツッコミどころがたくさんあるのも楽しいよ!!笑