デトロイト

感想書くの忘れてた。。

キャスリン・ビグローは日本で注目を浴びるきっかけとなった「ハート・ロッカー」がとても苦手で、なんというか、信頼していない監督。でもなぜか毎回観てしまうのは、毎回テーマがタイムリーだから。

今回もまるでトランプ政権の誕生に合わせたかのように、人種差別問題を取り上げる。キング牧師が射殺される1968年の前年、1967年にデトロイトで起きた暴動。その暴動のなかで実際におきた、モーテルでの警官による黒人への暴行、殺人事件。

映画としてはある種の密室劇で、密室ならでは密度で、社会の歪み、根深い人種対立を掘り下げる。密室への導入部は良くできていたと思う。そして40分。永遠と繰り返される、密室での尋問、暴行。いくらなんでも長くて、観ているこちらもうんざりするのだが、現実に起きたできごとがまさに「永遠のように感じられる、うんざりな時間」だったわけで、相変わらず嫌な映画撮るなーというか、、、まあ確かに怖かった。ブッシュ政権下では「ハート・ロッカー」を、オバマ政権下で「ゼロ・ダーク・サーティ」を、そしてトランプ政権下でこの映画を撮る気骨は正当に評価されるべきとは思う。

しかし観終わって時間が経ったこともあるけど、この映画が好みかといえば、やっぱり微妙かもしれない。なんでだろう。なんとなくマッチョなんだよな。甘い脚色をさけ、贅肉を削ぐ、タイトな作品とも言えるのかもしれないけど、例えば同じくタイトな群像劇である「スリー・ビルボード」と比べてしまうと、、、結局のところキャスリン・ビグローは「人間」を信頼してないのかもなあと思えてしまう。