海街Diary

娘を連れて二子玉川の109シネマにて。

Filmarksに知人が「いまこの瞬間の4人をフィルムに収めただけで奇跡」みたいなコメントをしてたけど、まさに至言だと思う。冒頭の長澤まさみからはじまって、綾瀬はるか夏帆、この3姉妹の、それぞれの個性、それぞれの美しさに完全にノックアウトされてしまった。そしてもちろん、抜群の存在感を見せた広瀬すずにも。

広瀬すずはこれ以上ないあたり役で、それはもう「あまちゃん」の能年玲奈に勝るとも劣らないほどのあたり役で、スクリーンを見つめた誰もが好きにならざるをえない、圧倒的な「アイドル」だった。強さ。儚さ。健康的な色香。彼女の表情には全てがあった。どうやったらあんな目線できるんだろう。

是枝監督の作品はこれまであまり好みじゃないと公言してきた。ボンクラーズの皆さまから圧倒的に支持されていた「空気人形」も僕はあまり好きじゃなかった(除くペ・ドゥナのおっぱい)。その大きな理由は、社会批評的でありながら、その社会批評がとても単純かつ安易なステレオタイプに見えてしまうことにある。彼の映画は僕にはほんの少し押し付けがましい。しかし是枝監督の映画には美点もたくさんあって、その最たるものが、本当に女性を、あるいは少女を、綺麗に撮ることだと思う(あのペ・ドゥナのおっぱいとかさあ!!←しつこい)

今回は、そんな是枝監督の美点が完璧に生かされた作品だった。スクリーンに映る4姉妹は本当に、文句なく美しかった。浅薄な社会批判をはぎとり、何気ない日常のなかに垣間見える女性の美しさ、否、人間の美しさにフォーカスしたこの作品こそを、僕は是枝監督の最高傑作と思う。

忘れられないシーンがたくさんある映画だった。きっと何度も見返すと思う。